原題はThe Defector。
我が子の未来の為に、全面戦争を食い止めようと何もかも捨てて連邦に亡命したのに、結局それはロミュラン体制側の罠で、全て無駄だった・・と悔いて自殺する提督・・(哀) 中尉にしちゃあ老けてるとは思いましたが、提督だったとは。提督が子供のいないピカードに、「子供の最初に笑った顔を見たら・・」と情に持ち込もうとしても、冷静に、証拠を示して貰わなければ貴方を信じられない、協力は出来ない・・と突き放す(情に流されない)ピカードが、大勢の部下の命を預かる指揮官としては当たり前の態度ではありますが、頼もしく見えました。
それにしても、子供の為に良かれとしたことで結果、子供は一生、裏切り者の子としての汚名を背負って生きていくことになる・・二度と会えず連絡もとれず、釈明することすら出来ない・・ってそりゃ確かに地獄・・。提督が死を選ぶ気持ちもよく分かります。いつか訪れるかもしれない連邦とロミュランの和平の日・・もしくは、そこまで到らないにしろ、せめて自分の真意が、何らかの手段で子供に伝わる日・・それらを信じて生きていくには、彼は長く生き過ぎていた・・というか。
大原富枝の小説「婉という女」・・江戸時代、土佐藩の有力者だった父が失脚後、その反動とでもいうべき処罰で長年にわたる蟄居を命じられ、屋敷に幽閉された野中家の兄弟姉妹。結局それは、年端のいかない幼女であった主人公・婉の、赤ん坊だった弟=一族の最後の男が死に絶えるまで(「女の腹は借り物」という考え故)の四十年続いたのですが、その四十年を、婉と幾人かの姉妹は生き抜くのですが、蟄居を命じられた当初、既に嫁いで子も産んでいて、離縁の上、子供とも引き離されて幽閉された姉は、乳を搾っていくらか暮らした後、まもなく亡くなった・・「姉をしばらく生かしたのも、そしてそれ以上生かさなかったのも、あの乳房だ」とかいう台詞がありまして、それを思い出しました。
社会的にはともかく、すくなくとも家庭的にはそれなりに満ち足りた、心豊かな人生を送ってきた・・なまじ「幸せ」の、「希望」の味を知っていたがゆえに、その裏返しの「絶望」の中で生きていくことは出来ない・・。勿論、最初から最後まで、愛を知らない人生とどちらが幸せかと聞かれればそりゃ・・って話ですけど。
クリンゴンに関することはウォーフ任せ・・別にいいですけど、最後の礼くらいは、ピカード自分で言ったら・・と思ったり。
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