原題はSanctuary。
及び腰の政府のお役人を怒鳴りつけたり、懇意の音楽家がクワークの店で演奏が出来るよう取り計らったり、キラは今日もベイジョーのため、同胞のため、忙しくたち働いていた。そこへ、ワームホールを通過した船が現れる。危険な状態のその船から4人の異星人を転送で助け出すが、彼らの言葉はコンピュータが翻訳不能らしく、全く話が通じない・・。
移民がテーマの重く、苦い話。
4人の女リーダー・ハニークと、ドレスをめぐるちょっとした誤解を通じて、お互い同じセンスなんだと知って意気投合したキラ。しかし、ハニークが300万人のスクリーア人のリーダーとなり、その移住先に、連邦が選んだ肥沃な星ではなく、ベイジョーを希望したことで、その友情も壊れていく・・。
スクリーア人の聖なる書によれば、ケンタナ・・彼らの伝説の故郷は、宇宙の目(ワームホール)を抜けたところにあり、スクリーア人はその悲しみの星に喜びの種を蒔くであろう・・と記されているという。確かに地理的にも、「悲しみの星」という条件も、つい先ごろまでカーデシアに占領され、その痛手からいまだ立ち直れてはいないベイジョーは合う・・。
ハニークは、スクリーア人は農耕が得意なので、今ベイジョーが不毛の土地として見放し、誰も住んでいない地域に移住を認めてくれれば、そこで農業を成功させて自活していく・・と主張。
しかしベイジョー側は、300万人もの移民を受け入れる余裕はなく、もしスクリーア人の移住を認めて、彼らが農業に失敗したら、人道的にそれを見過ごす訳にはいかず、今でも不足している食糧を分け与えるしかない・・結果、ベイジョーもスクリーアも共倒れになる・・と主張し、断固受け入れを拒否。
ハニークはキラに何とかベイジョー政府の考えを変えてくれるよう頼むが、ベイジョー・・自分の星が一番大切なキラの考えは、政府のそれと同じであり、それを知ったハニークはキラに失望する・・。
結局、スクリーア人は連邦の選んだ星にいかざるを得なくなったが、増え過ぎた自分達に向けられる邪魔者意識を感じ取り、それに反発心を抱いていたハニークのひとり息子・チュマックは、混乱に乗じて船を奪い、友人達とベイジョーに向かう。しかし、その船はエンジンからエネルギー漏れを起こしていた・・。
スクリーア移民を断固受け入れない方針のベイジョーが出した迎撃機にチュマクの船は攻撃、結果迎撃機は反撃し、エネルギー漏れにフェイザーが引火して、チュマクの船はモニター上から消えていく・・。
ハニークが、最後見送りに来たキラに、「私達がベイジョーのお荷物になると思ったの?」と問い質し、それを肯定するキラ。
それに対するハニークの最後の言葉・・丸々引用させて貰いますが、「それはあなた方の大きな間違いだわ。とても残念。…私達が入植すれば、お互いに助け合えたかもしれない。…スクリーア人は農業が特技なのよ? 飢えに苦しむベイジョーを、私達の技術で救ってあげられたかもしれないのに。やってみなきゃわからないでしょ。50年に渡るカーデシアの支配が、あなた方を怯えさせ人を信じなくさせてる。…ほんとにお気の毒だと思う。……あなたの言う通りね。ベイジョーはケンタナじゃなかったわ」
最後のハニークの、「ベイジョーはケンタナじゃなかったわ」が重く、苦い・・。移民は受け入れられないと、キラ(ベイジョー)の方が「ベイジョーはケンタナではない」と言ってたのが、最後は逆に、そう言ってたスクリーア人自身が否定する・・ベイジョーは、我らの故郷・聖域と呼ぶには値しない星だったと見限り、切り捨てる、スクリーア人なりのしっぺ返し。
ベイジョーの言う通り、スクリーア移民を受け入れたらベイジョー人ともども共倒れになったかもしれないし、ハニークの言う通り、農業が得意なスクリーア人はベイジョー人とお互い助け合う存在となり、ベイジョーを飢えから救ったかもしれない・・。どっちだったのか、ベイジョーがトライしなかった以上、永久に分からないまま・・。
ハニークの言葉を信じて、可能性に賭ける・・それを出来るだけの、余裕・・経済的なものもですがそれ以上に、精神的な余裕が、今のベイジョーにはない・・そのことがただただ、悲しい・・。
カーデシアの罪・・占領の負の遺産は、こういう形でも尾をひいてるんだなぁ・・と。
勿論、自分がキラ(ベイジョー)の立場だったら・・共倒れのリスクを背負ってまで、自分の星にスクリーア人を受け入れることが出来たのか?と訊かれると・・返事に窮する訳ですが・・。
少なくとも共倒れはしない・・スクリーア人達は自活していけるであろう肥沃な星を移民先として見つけてあげただけ、連邦&ベイジョーは出来る限りのことをした訳ですけど・・。
ベイジョーが択びとることが出来なかった、「明るい未来」のひとつ。破滅という最低を択ばない為に、同時に、共存繁栄という未来をも、択べない・・捨てざるを得ない「現実」の厳しさ・・。
及び腰の政府のお役人を怒鳴りつけたり、懇意の音楽家がクワークの店で演奏が出来るよう取り計らったり、キラは今日もベイジョーのため、同胞のため、忙しくたち働いていた。そこへ、ワームホールを通過した船が現れる。危険な状態のその船から4人の異星人を転送で助け出すが、彼らの言葉はコンピュータが翻訳不能らしく、全く話が通じない・・。
移民がテーマの重く、苦い話。
4人の女リーダー・ハニークと、ドレスをめぐるちょっとした誤解を通じて、お互い同じセンスなんだと知って意気投合したキラ。しかし、ハニークが300万人のスクリーア人のリーダーとなり、その移住先に、連邦が選んだ肥沃な星ではなく、ベイジョーを希望したことで、その友情も壊れていく・・。
スクリーア人の聖なる書によれば、ケンタナ・・彼らの伝説の故郷は、宇宙の目(ワームホール)を抜けたところにあり、スクリーア人はその悲しみの星に喜びの種を蒔くであろう・・と記されているという。確かに地理的にも、「悲しみの星」という条件も、つい先ごろまでカーデシアに占領され、その痛手からいまだ立ち直れてはいないベイジョーは合う・・。
ハニークは、スクリーア人は農耕が得意なので、今ベイジョーが不毛の土地として見放し、誰も住んでいない地域に移住を認めてくれれば、そこで農業を成功させて自活していく・・と主張。
しかしベイジョー側は、300万人もの移民を受け入れる余裕はなく、もしスクリーア人の移住を認めて、彼らが農業に失敗したら、人道的にそれを見過ごす訳にはいかず、今でも不足している食糧を分け与えるしかない・・結果、ベイジョーもスクリーアも共倒れになる・・と主張し、断固受け入れを拒否。
ハニークはキラに何とかベイジョー政府の考えを変えてくれるよう頼むが、ベイジョー・・自分の星が一番大切なキラの考えは、政府のそれと同じであり、それを知ったハニークはキラに失望する・・。
結局、スクリーア人は連邦の選んだ星にいかざるを得なくなったが、増え過ぎた自分達に向けられる邪魔者意識を感じ取り、それに反発心を抱いていたハニークのひとり息子・チュマックは、混乱に乗じて船を奪い、友人達とベイジョーに向かう。しかし、その船はエンジンからエネルギー漏れを起こしていた・・。
スクリーア移民を断固受け入れない方針のベイジョーが出した迎撃機にチュマクの船は攻撃、結果迎撃機は反撃し、エネルギー漏れにフェイザーが引火して、チュマクの船はモニター上から消えていく・・。
ハニークが、最後見送りに来たキラに、「私達がベイジョーのお荷物になると思ったの?」と問い質し、それを肯定するキラ。
それに対するハニークの最後の言葉・・丸々引用させて貰いますが、「それはあなた方の大きな間違いだわ。とても残念。…私達が入植すれば、お互いに助け合えたかもしれない。…スクリーア人は農業が特技なのよ? 飢えに苦しむベイジョーを、私達の技術で救ってあげられたかもしれないのに。やってみなきゃわからないでしょ。50年に渡るカーデシアの支配が、あなた方を怯えさせ人を信じなくさせてる。…ほんとにお気の毒だと思う。……あなたの言う通りね。ベイジョーはケンタナじゃなかったわ」
最後のハニークの、「ベイジョーはケンタナじゃなかったわ」が重く、苦い・・。移民は受け入れられないと、キラ(ベイジョー)の方が「ベイジョーはケンタナではない」と言ってたのが、最後は逆に、そう言ってたスクリーア人自身が否定する・・ベイジョーは、我らの故郷・聖域と呼ぶには値しない星だったと見限り、切り捨てる、スクリーア人なりのしっぺ返し。
ベイジョーの言う通り、スクリーア移民を受け入れたらベイジョー人ともども共倒れになったかもしれないし、ハニークの言う通り、農業が得意なスクリーア人はベイジョー人とお互い助け合う存在となり、ベイジョーを飢えから救ったかもしれない・・。どっちだったのか、ベイジョーがトライしなかった以上、永久に分からないまま・・。
ハニークの言葉を信じて、可能性に賭ける・・それを出来るだけの、余裕・・経済的なものもですがそれ以上に、精神的な余裕が、今のベイジョーにはない・・そのことがただただ、悲しい・・。
カーデシアの罪・・占領の負の遺産は、こういう形でも尾をひいてるんだなぁ・・と。
勿論、自分がキラ(ベイジョー)の立場だったら・・共倒れのリスクを背負ってまで、自分の星にスクリーア人を受け入れることが出来たのか?と訊かれると・・返事に窮する訳ですが・・。
少なくとも共倒れはしない・・スクリーア人達は自活していけるであろう肥沃な星を移民先として見つけてあげただけ、連邦&ベイジョーは出来る限りのことをした訳ですけど・・。
ベイジョーが択びとることが出来なかった、「明るい未来」のひとつ。破滅という最低を択ばない為に、同時に、共存繁栄という未来をも、択べない・・捨てざるを得ない「現実」の厳しさ・・。
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●2001年7月から某所で書いていた感想日記の移植版です。
●基本的にテレビ本編&映画の感想はネタバレ有、小説の感想はネタバレがある場合「続きを読む」で・・というスタンスです。
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