原題はPreemptive Strike。
かつて軍法会議にかけられ、艦隊士官としての未来を一度は絶たれたローが、ピカードのおかげもあって大尉にまでなった・・その、ピカードが自分へ向けてくれた信頼に応えようと、憎きカーデシアを攻撃しているゲリラにスパイとして潜入するという、危険なだけでなく、自分の信条的にも「折り合い」をつけ難いであろう、厳しい任務を引き受けた訳ですが・・。
スパイである自分を、疑いも無く受け入れて、信頼してくれたマシアス。非ベイジョー人でありながら、ベイジョーの文化に深い造詣を持ち、ベイジョー人とともに長年カーデシアと戦ってきた彼に、誰にも話したことがなかったであろう父との思い出を、つい話すまでに心を開いたロー。しかし彼をカーデシア人の攻撃で失い・・。
あの、ゲリラを攻撃したカーデシア人達も、あんな生きて帰れる公算のない攻撃をしかけてくる以上、ゲリラ、もしくはベイジョー人との戦いで、身内を無くした経験を持ってる可能性が高い・・。まさに、憎しみの「連鎖」。
ピカードへの思い、ゲリラ仲間とともにカーデシアと戦う道・・その狭間で苦悩し尽し、最後の最後で、ピカードを裏切る・・彼よりも、ゲリラ仲間(と生きる人生)を選んだロー。彼女を最後、見送ったのが、彼女と縁浅からぬライカーってのがまた・・。
再会した時の喜びようからして、ジョーディーもまた、あとで知ってショックを受けるでしょうけども、やはり、ピカードが被ったであろう痛手は層倍・・。上官・・いや、一個人として、彼女を信頼し、目をかけていた、その結果が・・。
勿論、ピカードほど聡明な人なら、苦悩し尽くした彼女の気持ちも理解出来るでしょうけど、それでも、彼の考え的にはやはり、カーデシアとの全面戦争を再開しかねない、ゲリラのやり方は間違っている・・取り締まるべきな訳で。
裏切られた・・という思いと同様か、もしくはそれ以上に、信頼していた有能な部下を、そういう選択をさせるまでに追い詰めた、自分(および艦隊上層部)のやり方は本当に正しかったのか・・と、自身を責める気持ちもあったでしょうね。
最後の、無言ピカードの顔が今まで見た中で一番怖い・・。これが、通常のエピソードとしてはラスト。重く、そして本~っ当に苦い(←スタトレ感想においてはほぼ、誉め言葉)
苦しみ抜き、艦隊の上官や友人も裏切る結果となり、なおかつ、カーデシアとの戦いで寿命半ばで若くして死ぬ可能性も大・・となった訳ですが、それでも、ローが彼女自身の意志で選んだ人生・・。その、ゲリラという生き方を全面的に肯定することは出来ませんが(←自分や家族の生命を、他者に脅かされた経験のない人間にどうこう言う資格はない・・と言われるかもしれませんけど)、それでも、最後、「元気で」とはなむけの言葉をおくったライカーと同じ気持ちで、彼女の旅立ちを見送りたい・・というか。
一言で「不幸」と括ってしまっては失礼かもしれない、彼女の人生。(ターシャに対しても思ったことですが)確かに幼少時から辛い思いをし、苦労を重ねてきた、そのことは不幸だったでしょうけど、生き延び、自分の意思と能力でもってして、自身の人生を切り開き、択びとることが可能な年齢にまで生き延びた・・そしてその人生の中で、上官の向けてくれた信頼、仲間がよせてくれた友情、恋・・そういったものを経験した・・。年端もいかないままに殺された少年少女のことを思えば、それなりの人生といえる訳で。
でも、それでもやはり、彼女が我々の目の前で最後にみせた「選択」には、哀感の思いを抱かざるを得ない・・。
有耶無耶に消えていくことなく、こうしてその最後が、通常エピソードの最後という重要な回で描かれただけ、キャラクターとしては・・「幸せ」?だったというべきか。
それにしても、スタトレという物語で、視聴者の哀感を誘う舞台の降り方(←ほとんどの場合において、意味するところは「死」)のキャラは、レギュラー(及び、準レギュラー)に限って言えばそれは、ほとんど、女性のような・・?端的に言えば、「女性(レギュラー)の方が不幸になり易い」・・女優さんの降板とかで、どうしてもそうなり易い?・・仕方がないことなのかもしれませんが、なんかひっかかるというか・・。
最後の最後でナチェフ提督の態度はずいぶん、軟化してきましたね。ピカードと軽口を叩き合うまでになるとは。お互いがお互いの能力を認め、なおかつ人間的にも魅力を感じあうようになってきた・・ということか。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |