原題はThe Menagerie。
いきなりスポックの「反乱」から始まる、緊張感あふれる前後編エピソード。11年仕えたエンタープライズ前船長・パイク大佐・・事故で、意識はしっかりしてるのに身体が全く動かせなくなり、いわば「生ける屍」と化した彼を、死刑になるかもしれないリスクを犯してまで救おうとするスポックの男気に惚れ惚れ~というか。そして同時に、現在仕えるカーク船長に累を及ぼさないよう配慮もする・・この出来杉君め!という感じです。
結局パイクは、意識さえあれば望むとおりの幻想を見せてくれるタロス星人のおかげで残りの人生を(幻想ではありますが)幸せに暮らすことになる・・という、一応のハッピーエンドを迎える訳ですが・・。「現在」のパイクの、ショッキングな変わり果てた姿、そして(この話では回想シーンとして使われている)パイロット版でパイクを演じたジェフリー・ハンターが69年に42才で夭逝している・・という事実があいまって、なんというか・・奇妙で怖くて切ない、とにかく不思議な味わいの回です。切ないハッピーエンド?というか・・。
女性のナンバー・ワン(副長)が知的でいい感じでしたが、彼女はメイジェル・バレット(クリスチン役)が演じてたんですね。全然分かりませんでした・・。髪の色が違うとほんと別人。
タロス星人に助けて貰ったはいいが、「人間を見たことが無かったから」めちゃくちゃに繋がれたヴィーナ・・。タロス星人も、そういう時こそ人の心読めよ!人の心を読んでヴィジュアルで再現出来る彼らが彼女の心を読めば、人体パーツのあるべきポジションも分かったと思うんですけどね・・(というかそもそも、タロス星人も身体見た目大して変わらへんやん!・・というのは禁句?) 彼女が、よくEDで出てきて気になってた皮膚青色女性の正体でした。
回想シーンのパイクはちょっと若い頃の長嶋茂雄に似ているような・・。彼の船室のシーンに登場する、老乗組員の、結局、人は偶然の人生を生きるしかないんだ・・とかいう台詞が、味がありましたね。
ラスト、タロス星に転送されるべく、パイクがスポックに連れられて部屋を出て行った直後に、タロス星人からの通信で、幻想を生きるパイクが映ってたのには「ちょっと早すぎ!まだ転送ルームついてへんはずやで!」とツッコミ。前後編ですがそれでもちょっと時間が足りへんかったんやな・・と思わせるシーン。
ちなみにこの話も次姉が子供の頃見て覚えていた話で、(子供なのでなおさら)スポックの意図が読めずハラハラしたそうです。ラストの、パイクが幻想で幸せに暮らすところや、彼が馬に砂糖を食べさせていたシーンとかは印象的でよく覚えていたそうですが、ヴィーナのことはすっかり忘れていたそうです・・。
♪幻でも嘘でもいいじゃない 桃子は幸せ(by筋肉少女帯「レティクル座の花園」)
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