原題はTIME FOR YESTERDAY。
「タイムマシンの危機(原題:All Our Yesterdays)」でのスポックとの出会いの結果、後にザラベスが彼の息子・ザールを産んでいた・・という設定で書かれた小説「過去から来た息子」の続編。
是非「過去から来た息子」を読んでから読みたかったのですが、地元の図書館には「過去から~」が無く、仕方なしにこの「時の壁を超えて」から先に読むことに(で、読み終わった今、古本通販で買った「過去から~」を読んでる最中)
結論から先に申し上げますと、かなり良かったです。グー!今まで読んだ(って、まだたいした冊数ではありませんが)スタトレ小説の中では「スポックの世界」が一番好きかな・・と思ってましたが、並びました。同率首位。奇しくも(?)時代設定がほぼ同じなんですよね(映画Ⅰの後) そのせいかナラートとかハマルキ人とか、カブるキャラが何人か(ナラートの階級が違いますし、ハマルキ人は「時の~」では会話の上でしか出てきませんけど)
なんでしょう、テーマの深遠さ?高尚さ?そういうのは「スポックの世界」の独り勝ちでしょうけど、「時の壁を超えて」はスポックの息子がその後どんな人生を送ったのかという、私的で、だからこそエモーショナルで「俗な」面白さに満ちたお話・・というか。
で、そのスポックの息子・ザールがいいんですわ!「過去から来た息子」時代の、「素直な子」という評判(?)は聞きつけていたんですが(←何処でだよ)、愛する者を喪い、また、そのことを予知できるがゆえの恐怖をも背負い、戦いの連続、肉体的苦痛、統治者としての苦悩・・そんないっさいがっさいの辛い日々を経て、それでも優しい心を失わず、民への責任と義務を果たそうと、不自由な片足を引きずりつつ歩み続ける彼・・。敵の巫女に自分の死が予言されても、むしろやっと終わりに出来る・・とまで思う(泣)
本当にもう、すごくいい人。「鬼平」の小柳かよ!と言いたくなるような過去もありーの(ここのくだりの痛ましさはもぅ・・)で、小説だけにしとくのは勿体ない・・こんなキャラこそ映像で見せてよねという感じ。
作者は筋金入りのトレッキーとのことで、まさにトレッキーの、トレッキーによる、トレッキーのためのお話。ザールの人柄のキュートっぷり、悲壮な生き様等々のメインストーリー以外にも、カークやマッコイ達の台詞や行動も痒いところに手が届く・・という感じ。異星サルペイドンの馬=ヴァイカーを、初めてでも見事に乗りこなすカークの台詞「いい娘(こ)だ」・・やっぱり、馬でも人間でも、女(牝)なら上手く乗りこなせるのね貴方・・(笑) で、その馬から上手く降りられないマッコイの悔し紛れな一言もいい感じ。そして毎度のことですが、捕まって牢にブチこまれたマッコイの、「毎度」がゆえの台詞が最高。
勿論、痒いところに手が届き過ぎている(?)きらいもないではない・・特にスポックがちょっと感情的過ぎるかな・・という気もしますけど、息子が死ぬかも・・となればこれくらい当たり前か・・。スポック&ザールに影響されて、カークが自分の息子・デービッドにあれこれ思いをめぐらす描写もあるんですが、あるシーンでミラマネと、彼女の胎内の子にもちゃんと思いを馳せていて、よかったです。
ちなみに話の最初の方でカークが連邦軍長官の下で直接航宙艦の操舵をする・・というシーンがあり、新鮮でした。今までカークがファラガットでの少尉時代何をしてたことになってるのか知りませんでしたが(少なくとも機関部員&科学部員でないことは分かってましたが)、やはりというか操舵担当だったんですね。
続編とはいえ、これ単独でも読めますしとても面白い・・とにかくザールがいい!ので、機会があれば是非読んで欲しい二冊(←上下巻)
「タイムマシンの危機(原題:All Our Yesterdays)」でのスポックとの出会いの結果、後にザラベスが彼の息子・ザールを産んでいた・・という設定で書かれた小説「過去から来た息子」の続編。
是非「過去から来た息子」を読んでから読みたかったのですが、地元の図書館には「過去から~」が無く、仕方なしにこの「時の壁を超えて」から先に読むことに(で、読み終わった今、古本通販で買った「過去から~」を読んでる最中)
結論から先に申し上げますと、かなり良かったです。グー!今まで読んだ(って、まだたいした冊数ではありませんが)スタトレ小説の中では「スポックの世界」が一番好きかな・・と思ってましたが、並びました。同率首位。奇しくも(?)時代設定がほぼ同じなんですよね(映画Ⅰの後) そのせいかナラートとかハマルキ人とか、カブるキャラが何人か(ナラートの階級が違いますし、ハマルキ人は「時の~」では会話の上でしか出てきませんけど)
なんでしょう、テーマの深遠さ?高尚さ?そういうのは「スポックの世界」の独り勝ちでしょうけど、「時の壁を超えて」はスポックの息子がその後どんな人生を送ったのかという、私的で、だからこそエモーショナルで「俗な」面白さに満ちたお話・・というか。
で、そのスポックの息子・ザールがいいんですわ!「過去から来た息子」時代の、「素直な子」という評判(?)は聞きつけていたんですが(←何処でだよ)、愛する者を喪い、また、そのことを予知できるがゆえの恐怖をも背負い、戦いの連続、肉体的苦痛、統治者としての苦悩・・そんないっさいがっさいの辛い日々を経て、それでも優しい心を失わず、民への責任と義務を果たそうと、不自由な片足を引きずりつつ歩み続ける彼・・。敵の巫女に自分の死が予言されても、むしろやっと終わりに出来る・・とまで思う(泣)
本当にもう、すごくいい人。「鬼平」の小柳かよ!と言いたくなるような過去もありーの(ここのくだりの痛ましさはもぅ・・)で、小説だけにしとくのは勿体ない・・こんなキャラこそ映像で見せてよねという感じ。
作者は筋金入りのトレッキーとのことで、まさにトレッキーの、トレッキーによる、トレッキーのためのお話。ザールの人柄のキュートっぷり、悲壮な生き様等々のメインストーリー以外にも、カークやマッコイ達の台詞や行動も痒いところに手が届く・・という感じ。異星サルペイドンの馬=ヴァイカーを、初めてでも見事に乗りこなすカークの台詞「いい娘(こ)だ」・・やっぱり、馬でも人間でも、女(牝)なら上手く乗りこなせるのね貴方・・(笑) で、その馬から上手く降りられないマッコイの悔し紛れな一言もいい感じ。そして毎度のことですが、捕まって牢にブチこまれたマッコイの、「毎度」がゆえの台詞が最高。
勿論、痒いところに手が届き過ぎている(?)きらいもないではない・・特にスポックがちょっと感情的過ぎるかな・・という気もしますけど、息子が死ぬかも・・となればこれくらい当たり前か・・。スポック&ザールに影響されて、カークが自分の息子・デービッドにあれこれ思いをめぐらす描写もあるんですが、あるシーンでミラマネと、彼女の胎内の子にもちゃんと思いを馳せていて、よかったです。
ちなみに話の最初の方でカークが連邦軍長官の下で直接航宙艦の操舵をする・・というシーンがあり、新鮮でした。今までカークがファラガットでの少尉時代何をしてたことになってるのか知りませんでしたが(少なくとも機関部員&科学部員でないことは分かってましたが)、やはりというか操舵担当だったんですね。
続編とはいえ、これ単独でも読めますしとても面白い・・とにかくザールがいい!ので、機会があれば是非読んで欲しい二冊(←上下巻)
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●2001年7月から某所で書いていた感想日記の移植版です。
●基本的にテレビ本編&映画の感想はネタバレ有、小説の感想はネタバレがある場合「続きを読む」で・・というスタンスです。
●ブログ内の画像の無断転載・二次使用はお控え願います。
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